寄附講座「先端医療小児外科学講座」
スタッフ
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松橋延壽
教授
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加藤充純
特任准教授
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井深奏司
特任講師
これまで岐阜大学大学院医学系研究科消化器外科・小児外科学分野(旧第2外科)は、岐阜県の小児外科医療の発展および人材育成などに長年貢献してきた。現在、20世紀末からの少子高齢化に伴い、小児外科医療を取り巻く社会環境は大きく変化している。さらに医療技術の進歩、医療提供の場の多様化が進むこの時代において、特に子育て世代の医療に対する意識は、 安全・安心の重視はもちろん、医療の質をより重視するといった思考へと変化している。医療従事者の間においても働き方改革に伴い、QOLを重視しようという認識が浸透し始めている。
近年、診療科別医師数において、外科(消化器外科・小児外科)系診療科は年々減少傾向であり、激務と考えられている当科の所謂「外科離れ」は加速し、大きな社会問題となっている。その中で小児外科医療はその特殊性と稀少性などから従来の成人外科医療と同様の研修では十分な教育ができず、小児外科医を目指す人材の確保が困難な状態となることが危惧されている。日本小児外科学会では、これを憂い、全国レベルでの質の高い小児外科医の育成と人的交流の促進が重要であり、小児外科専門医、指導医の集約化と均てん化の問題は喫緊の課題として取り組みが必要であると考えられている。そのため岐阜地域では全国に先駆けて、岐阜県総合医療センターと岐阜大学大学院医学系研究科並びに岐阜大学医学部附属病院、両施設間における今までの以上の人材交流と技術の融合を促進し、岐阜県独自の新しい人材育成、教育システムを構築し、全国に誇るモデル地域を目指したいと考える。
そこで今回「先端医療小児外科学講座」を設置し、岐阜県総合医療センターとともに小児外科医療を連携し集約化することで、小児外科の発展に寄与するとともに、安心・安全で質の高い小児外科医療を多くの県民や国民に寄与することが大いに期待できるであろう。
以上の観点から、寄附講座「先端医療小児外科学講座」を設置した。
岐阜大学大学院医科学専攻・医学部医学科 外科学
消化器外科・小児外科学分野
教授 松橋延壽
特任准教授 加藤充純
特任講師 井深奏司