寄附講座「がん先端治療国際地域支援講座」

スタッフ

  • 松橋延壽

    松橋延壽

    教授

  • 鷹尾千佳

    鷹尾千佳

    特任講師

  • 大川 舞

    大川 舞

    特任助教

われわれの専門領域である消化器外科・小児外科・乳腺外科におけるがん治療法は①外科治療、②化学療法、③放射線治療があり、最近では④免疫治療が加わた。今後はがん集学的治療においてより多くの知識が求められるため、がん治療を多面的に理解できる人材を育てることが非常に重要となる。

  1. 外科治療
    ロボット手術需要の急速な増加に伴い若手外科医の指導体制の確立が求められる。安全な手術を患者に提供できるように関連施設にも同様の指導体制を敷くことに努める。そして新規ロボット導入にも積極的に関わり、岐阜地域でのがん治療を日本および世界のトップ水準に引き上げることに尽力する。
  2. 化学療法
    当科は全国で「がんに対応できる腫瘍外科医」を育ててきた数少ない教室の一つである。これまで多くの化学療法における臨床試験に参加してきた実績があり、切除不能進行再発癌に対し、化学療法を用いて腫瘍を縮小させて根治術を行う手術:Conversion Surgeryを日本のトップリーダーとして全国に報告してきた。
  3. 放射線治療
    最近では特に直腸がんにおいて化学放射線療法あるいは免疫チェックポイント阻害剤を併用することで、手術をしなくても治癒可能な治療を提供できる時代に向かっている。
  4. 免疫治療
    現在、免疫チェックポイント阻害剤が普及し、胃がん・食道がんでは一次治療から導入されるようになった。今後はさらにConversion Surgeryが期待され、集学的治療の知識がより求められる時代になると推測する。

このように、岐阜地域では最先端の外科医療を中心とした集学的治療の実践的な整備が最も重要であり、地域で連携したがん治療の体制構築が早急に必要である。今後、岐阜地域が日本および世界においてがん治療のモデル都市となれるように尽力する。
以上の観点から、寄附講座「がん先端治療国際地域支援講座」を設置する運びとなった。

岐阜大学大学院医学系研究科 外科学分野
消化器外科・小児外科学分野
教授 松橋延壽

特任講師 鷹尾千佳
特任助教 大川 舞